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OpenClaw v2026.3.22〜23-2 アップデート完全解説

OpenClaw v2026.3.22〜23-2 アップデート完全解説 ── 見落とすと痛い破壊的変更と、使いこなしたい新機能

こんにちは。AIコンサルタントの野口です。

3月23〜24日にかけてOpenClawが立て続けに大型リリースを行いました。単なるバグ修正ではなく、ブラウザ制御の構造的刷新・セキュリティ強化・モデル対応拡張・プラグイン体系の整備と、複数の軸で同時に進化しています。

ただ、嬉しい話ばかりではありません。旧来の設定のまま npm update するだけでは壊れる箇所があります。 今回の記事では「何が変わったか」だけでなく「どう対処するか」まで実例コードつきで丁寧に解説します。ぜひ本番環境に適用する前にひと通り目を通しておいてください。

0. まず最初にやること ── アップデートと健康診断

アップデートは以下の手順で行いましょう。必ず doctor を先に走らせるのがポイントです。

# 現在のバージョンを確認
openclaw --version

# 最新版にアップデート(npm / pnpm どちらでもOK)
npm install -g openclaw@latest
# または
pnpm add -g openclaw@latest

# ★ アップデート後は必ずこれを実行
openclaw doctor --fix

openclaw doctor --fix は今回のアップデートで最も重要なコマンドです。後述するブラウザ設定の自動移行や、staleなプラグイン参照の除去など、複数のマイグレーションをまとめて処理してくれます。

1. 【破壊的変更】環境変数・ディレクトリ名の統一

旧名称(CLAWDBOT_*~/.moltbot)から正式名称への移行が今回の最大の落とし穴です。特に systemd や .env で旧変数名を使っていた方は、起動しなくなるケースがあるので必ず確認してください。

確認コマンド

# 旧変数名が残っていないかチェック
grep -r "CLAWDBOT_" ~/.config/openclaw ~/.env 2>/dev/null
grep -r "moltbot" ~/.bashrc ~/.zshrc ~/.profile 2>/dev/null

# 旧ステートディレクトリが残っている場合は手動移行
ls ~/.moltbot 2>/dev/null && echo "移行が必要です"

移行手順

# ① バックアップを取る(必須)
cp -r ~/.moltbot ~/.moltbot.bak.$(date +%Y%m%d)

# ② ディレクトリを移動
mv ~/.moltbot ~/.openclaw

# ③ 環境変数の書き換え例(.bashrc / .zshrc)
# 変更前
export CLAWDBOT_API_KEY="your_api_key"
export CLAWDBOT_WORKSPACE="/path/to/workspace"

# 変更後
export OPENCLAW_API_KEY="your_api_key"
export OPENCLAW_WORKSPACE="/path/to/workspace"

systemdサービスを使っている方へ

# /etc/systemd/system/openclaw.service の変更例

[Service]
# 変更前
Environment="CLAWDBOT_API_KEY=your_api_key"
Environment="CLAWDBOT_LOG_LEVEL=info"

# 変更後
Environment="OPENCLAW_API_KEY=your_api_key"
Environment="OPENCLAW_LOG_LEVEL=info"
# systemdのリロードと再起動
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl restart openclaw
sudo systemctl status openclaw

WSL2でsystemdを使っている方(私もそうですが)は、/etc/systemd/system/ 配下のユニットファイルを忘れずに確認してください。

2. 【破壊的変更】Chrome拡張リレーの廃止 ── ブラウザ制御が新方式へ

Chrome拡張機能を使った旧来のリレーパス(driver: "extension")が完全に削除されました。ブラウザ自動化を使っている方は必ず doctor --fix で移行してください。

自動移行(推奨)

openclaw doctor --fix
# ログに "Migrated browser config: extension → existing-session" と出ればOK

手動でconfig.yamlを書き換える場合

# 変更前(旧設定)
browser:
  driver: "extension"
  relayBindHost: "127.0.0.1"

# 変更後(新設定)
browser:
  driver: "existing-session"
  profile: "user"
  # または headless環境では:
  # driver: "chromium"
  # headless: true

Chrome DevToolsアタッチモードの使い方(新機能)

既存のChromeセッションにアタッチして操作できる新しいアプローチです。サインイン済みのブラウザをそのまま使えるので、認証フローがぐっと楽になります。

# Chromeをリモートデバッグポートつきで起動
google-chrome --remote-debugging-port=9222 --user-data-dir=/tmp/chrome-debug

# OpenClaw側でアタッチ
openclaw browser attach --port 9222
# config.yamlでの恒久設定
browser:
  driver: "existing-session"
  cdpUrl: "http://127.0.0.1:9222"
  profile: "user"

Docker・ヘッドレス・リモートブラウザのフローは引き続きraw CDPを使うため、変更は不要です。

3. 【新機能】GPT-5.4 + Qwen のデフォルトモデル更新

OpenAIのデフォルトセットアップモデルが gpt-5.4 に更新されました。さらにAlibaba Cloud Model Studio(Qwen)の従量課金制エンドポイントが追加されています。

GPT-5.4への切り替え

# config.yaml
models:
  default: "openai/gpt-5.4"
  codex: "openai-codex/gpt-5.4"

# 画像生成もデフォルト統合済み
tools:
  image_generate:
    provider: "openai"
    model: "gpt-image-1"

Qwen(Alibaba)の設定方法

# config.yaml
providers:
  qwen:
    type: "dashscope"
    apiKey: "${QWEN_API_KEY}"
    region: "global"   # または "cn"(中国向け)
    model: "qwen-max"
# 環境変数で渡す場合
export QWEN_API_KEY="sk-xxxxxxxxxxxx"
openclaw config set providers.qwen.region global

Claudeユーザーとして正直に言うと、用途によってモデルを使い分けるマルチプロバイダー構成が今後の主流になっていきます。コスト管理の観点からも、軽量タスクにはQwenやHaikuを使う設計は理にかなっています。

4. 【新機能】ClawHubプラグインがnpmより優先

プラグインのインストール順序が変わりました。openclaw plugins install <name> は、まずClawHubを探してから、見つからない場合のみnpmへフォールバックします。

プラグイン管理の基本操作

# ClawHub優先でインストール(v2026.3.22〜の新動作)
openclaw plugins install my-plugin

# 明示的にClawHubを指定する場合
openclaw plugins install clawhub:my-plugin

# バージョン指定
openclaw plugins install clawhub:my-plugin@1.2.0

# npmを明示的に使いたい場合
npm install -g openclaw-plugin-my-plugin

# アンインストール(バージョンなし名称にも対応)
openclaw plugins uninstall clawhub:my-plugin
openclaw plugins uninstall my-plugin  # ← これも動くようになった

プラグインの互換性確認

# インストール済みプラグインの一覧と互換性チェック
openclaw plugins list
openclaw plugins check

# 特定プラグインの詳細
openclaw plugins info clawhub:my-plugin

openclaw/extension-api を使っているプラグインは openclaw/plugin-sdk/* への更新が必要です。プラグイン開発者の方は以下を参考にしてください。

// 変更前(旧API)
import { Plugin } from "openclaw/extension-api";

// 変更後(新SDK)
import { Plugin } from "openclaw/plugin-sdk/core";
import { ToolHandler } from "openclaw/plugin-sdk/tools";

export class MyPlugin extends Plugin {
  async onLoad() {
    this.registerTool(new ToolHandler("my_tool", this.handleTool.bind(this)));
  }
}

5. 【強化】セキュリティ ── ゲートウェイ認証とリモートメディア

今回のリリースはセキュリティ面でも大きく強化されています。特にセルフホストで公開ポートを持っている方は確認必須です。

信頼済みプロキシの設定見直し

# config.yaml
gateway:
  auth:
    trustedProxies:
      # 明示的なIPのみ許可(ループバックの自己申告は無視されるようになった)
      - "10.0.0.1"
      - "192.168.1.0/24"
    # デバイスレス・プロキシセッションへのadmin/secretsスコープ付与を禁止
    disallowProxyAdminScope: true

リモートCDPのSSRF対策

browser:
  ssrfPolicy: "strict"  # プライベートホストへのリモートCDPアクセスを警告
  # cdpUrlに内部IPを指定した場合はwarningが出るようになった
# 現在のセキュリティ設定を確認
openclaw gateway status --security
openclaw doctor --check-security

Nostr / Synology Chat利用者への注意

# Nostr: 未知の送信者からのDMに対するレート制限が追加
nostr:
  inboundDmPolicy: "known-only"  # または "all"(デフォルトは厳格化)
  maxInboundMessageSize: 65536

# Synology Chat: mutableなusernameではなく数値user_idで宛先を固定
synology:
  recipientIdMode: "numeric"  # デフォルト。"username"は危険フラグ付き

6. 【地味に便利】CLIの改善点あれこれ

cron のタイムゾーン問題が修正

# 正しくDSTを考慮したスケジュール設定(日本時間で指定)
openclaw cron add --name "daily-report" \
  --at "09:00" \
  --tz "Asia/Tokyo" \
  --command "skills run daily-summary"

# 繰り返しタスクに --tz は不要(--every と組み合わせると却下される)
openclaw cron add --name "hourly-check" \
  --every "1h" \
  --command "skills run health-check"

バージョン確認が分かりやすく

# アップデート状況が明確に表示されるようになった
openclaw update status
# → "Up to date. Local: 2026.3.23-2 / npm latest: 2026.3.23-2"

# git commitハッシュもバージョンに含まれるように
openclaw --version
# → "2026.3.23-2 (e7d11f6)"

壊れた設定ファイルへの対応

# エージェントトランスクリプトが壊れていても復旧できるように
openclaw agents replay --session <session-id> --auto-repair

# staleなplugins参照を自動削除
openclaw doctor --fix-plugins

7. Node.jsバージョンの確認を忘れずに

今回から推奨ランタイムが Node.js v24 に引き上げられました(v22.16以上でも動作します)。

# 現在のバージョン確認
node -v

# nvmでv24をインストールする場合
nvm install 24
nvm use 24
nvm alias default 24

# バージョン確認
node -v   # → v24.x.x
npm -v

# OpenClawを再インストール
npm install -g openclaw@latest
openclaw --version

WSL2でnvmを使っている方は、.bashrc.zshrc のnvm初期化ブロックが正しく読み込まれているか確認してください。systemdサービスはログインシェルを経由しないため、ExecStart に直接フルパスを指定するのが確実です。

# /etc/systemd/system/openclaw.service
[Service]
ExecStart=/home/youruser/.nvm/versions/node/v24.0.0/bin/openclaw start
Environment="NODE_ENV=production"

まとめ ── 今日やるべきチェックリスト

# 1. バックアップ
cp -r ~/.moltbot ~/.moltbot.bak.$(date +%Y%m%d) 2>/dev/null || true
cp -r ~/.openclaw ~/.openclaw.bak.$(date +%Y%m%d) 2>/dev/null || true

# 2. Node.jsバージョン確認
node -v  # v22.16+ または v24推奨

# 3. アップデート
npm install -g openclaw@latest

# 4. 環境変数・ディレクトリの移行
mv ~/.moltbot ~/.openclaw 2>/dev/null || true
# .bashrc / .zshrc / systemdの CLAWDBOT_* → OPENCLAW_* 置換

# 5. ヘルスチェックと自動修復
openclaw doctor --fix

# 6. 動作確認
openclaw --version
openclaw gateway status
openclaw plugins list

今回のアップデートは「地味に大きい」です。普段使いしていると気づきにくいのですが、ブラウザ制御の刷新・セキュリティ強化・ClawHubの一等市民化など、中長期的なアーキテクチャの方向性が明確になってきたリリースだと感じています。

特にClawHub経由のプラグイン管理は、今後のエコシステム拡大の布石だと思います。自作スキルやプラグインをClawHubに公開して収益化する、という動きも出てくるのではないでしょうか。

何か詰まったことがあればお気軽にコメントください。

この記事は公式CHANGELOGおよびGitHub Releasesをもとに執筆しています。
OpenClaw GitHub: https://github.com/openclaw/openclaw

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